今から35年前北海道から東京に出てきた私は、上野の繁華街にあるローソンで初めてアルバイトをしました。北国から上京してきたので上野というわけではなく、自由がきくアルバイトということで部活動の先輩にご紹介いただきました。昼間は働けなかったので深夜23時から翌朝9時まででしたが、お客さまが多いのと眠さとでとてもきつかったです。
ちょうどバブルの真っただ中であり、場所も場所だったので23時から25時はすごく売れていました。例えば、飲み屋さんがフルーツの盛り合わせのオーダーが入る都度買いにくる、お泊りに向かうカップルがワイシャルや下着などを楽しそうに買っていく、これは極端な例ではありますが曜日にかかわらず様々なものが飛ぶように売れていました。1年ほどしたところで、自宅近くのセブンイレブンに移りました。そこは比較的静かな住宅街だったので同じ深夜でも全く雰囲気は違いましたが、渋谷NHKが近かったこともあり、芸能人の来店がちょくちょくありました。鈴木保奈美、武田久美子、泉ピン子などなど、今となっては時代を感じますが、当時は「東京だな〜」などと思ったものでした。
でも、移って最も違ったのが、セブンイレブンにはPOSレジが導入されていたところ。当時のローソン(1988年導入)ではまだ入荷された商品に仕入伝票を見ながらラベラーで値札を貼っていきます。それをレジで手打ちするのですが、間違った値段の値札が貼ってあったり、値札が剥がれて金額が分からないまま、記憶を頼りに金額を入力したりしていました。当然、販売時の情報管理は出来ていなかったのですが、セブンイレブンに行くとピコピコと商品に印刷されているバーコードを読み込み、性別年齢ボタンで押すだけ。とても大きな変化を感じました。
今回、この記事を書くにあたって少し調べてみると、セブンイレブンは1982年に世界で初めてマーチャンダイズ・マーケティングにPOS情報を活用したとありますので、私が働き始めた5年も前に導入されていたことになります。グラフ情報分析コンピューターの導入もされていましたのでバックヤードにおいてあった端末には、何時に何が幾つ売れているなどの情報が簡単に見て取れました。ただ、それでもお弁当などが大量に廃棄されていましたので、発注業務が最適化されるまでには至っていなかったのだと思います。
あれから30年が経ち、セブンイレブンは2023年春にも全店でAIによる発注支援システムが導入される計画で、作業時間が4割短縮されるという記事を読みました。コンビニは行政代行・郵便業務や、ATMを置いて金融業への進出、各種チケットの販売など様々なサービスを展開してきています。お弁当の充実や惣菜、スイーツなども洗練され、安価で挽きたてのコーヒーも買うことができます。でも、30年前に感じた変化に比べるとそこまで大きな変化ではない気がします。セブンイレブンのオーナーから年末年始はアルバイトが見つからないのでお正月はずっと働いているという話を聞きました。これからもコンビニにお世話になるのは間違いありませんが、オーナー、従業員、そしてサステナブルな世界に貢献するような大きな変化を私は期待しています。
本記事は、以下のサイトで公表したものの再掲(一部修正)となります。
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