お子様が生まれた奥様が家事に追われて大変とのことから、家事アドバイザーなる方が現れ、劇的に作業が減らすというテレビ番組がありました。そのアドバイザーが使っていた手法がECRSです。段取りは、アドバイザーが①1日の家事を見て作業の全量を紙に書き出して可視化、②その上でECRSのフレームワークを使って見直す内容を提案、③奥様が自分にあったものを選択実施するというものです。作業を洗い出してみると全部で180あり、「Eliminate(排除:取り除く)」「Combine(結合:つなげる)」「Rearrange(交換:組み替える)」「Simplify(簡素:簡素化する)」を使って、40を減らし、1時間の余裕時間が生まれたという内容でした。
減らした作業をいくつかみてみましょう。
・タッパで保存している生野菜をお皿に盛りつけていたのをやめて、そのまま出して各人が取り分ける(E)、3度の食事の都度切っていた野菜を1回で切ってしまう(C)、洗濯ばさみで止めるのを乗せるだけで干せる治具も利用する(S)といった具合です。
ここまで読んで思われた方もいると思いますが、「こんなに毎日していることがすごい。2日に一度でいいものもあるような気がします」とコメンターが面白おかしく発言。そのような提案があっても良さそうですが、それでは番組として成り立たないというのもありますが、今回のケースで言えば奥様本人の価値観がどこにあるかというものだと思います。気持ちよく続けられないと長続きしなくなりますからね。
会社の業務でECRSを実施する時はどうでしょうか。業務フローを個人の価値観や意見で変えることはありませんが、現場で取り組む方々のやる気を失ったり、一生懸命に取組もうという気持ちにならなければ成果は出ません。皆さんの腹落ち感が得られるように説明することがポイントというところでしょうか。