革新を生む「SLQCD」⁉
この記事は2020年12月28日の日経産業新聞の記事を読んだ時に「これは!」と感じましたのでブログにしました。
私達、中小企業診断士は診断業務を行う際にいくつかのフレームワークを活用して分析していきます。製造業を中心とした診断業務を行う際、比較的利用するのがQCDというフレームがあります。QはQuality(品質)、DはDelivery(納期)、そしてCはCost(コスト)の観点で分析するというものです。では、SLQDCとは何でしょうか。DとCの順番こそ違いますが、QDCは前述のQCDと同じ意味です。この言葉を生み出した現コマツ会長の大橋徹二氏曰く、そのQCDよりも前にSafety(安全と健康(心身)の維持)、Law(環境や法律、ビジネスルールの遵守)があるとおっしゃっています。
言われてみればその通りだと思いますが、筆者が特に共感したのはSafety(安全と健康(心身)の維持)が最優先であるということ。コマツでは常にSLQDCの順番で報告され、取締役会では、少なくともSLQに関わる重要事項が共有されるそうです。
コロナは日本社会にどのような影響を与えるか?短期的には在宅勤務が増える、住む地域が広がるなどは既に見聞きしていますが、それほど遠くないうちに、会社と従業員の距離感が変わるのではないでしょうか。最近の流行りですが、従業員エンゲージメントをどのように高めるか、その大切な要素として経営者がどれだけ従業員のSafetyを中心に社員のことを考えているか、社員がそれを感じていられるかなのかなと考えます、
大橋会長がこの言葉を使いだしたのは2001年、今から20年も前です。コロナは当然ですが従業員エンゲージメントも殆どの人が聞いたことのない頃です。この言葉を使いだした頃、多くの部下は???だったのではないでしょうか。それよりも売上や利益と言っていたと思います。先を読むとはたぶん今の常識を疑うということだと想像すると、その瞬間は違和感のある存在だったはず。そう思われても、それが出来るのは常に本質を考えている人だけなのではないかと考えました。”なるほど”です。