ぎやまん陶で幸せが増しそう

この食器どこかで見たことはありませんか?私は贈り物としていただいたことがあります。この美濃焼の食器を作っているのは、“カネコ小兵製陶所”という岐阜県土岐市の中小企業です。

先日、伊藤社長にお会いし、お話をお伺いすることができました。伊藤社長は3代目ですが、先代までは日本酒を飲む“徳利(とっくり)”の生産量日本一の企業だったそうです。現在は、ぎやまん陶、リンカという製品を国内のみならず、ヨーロッパ、米国で販売展開していらっしゃいます。2012年と少し前のデータですが日本の陶磁器食器県別出荷シェアの約半分(44%)は岐阜県、そしてそのうちの約75%は土岐市です。1991年には1800億円あった陶磁器製食器の国内生産者出荷が2019年には200億円強まで減っています。中国製品の台頭と日本人の食生活の変化によるものだそうです。そんな中、なぜ伊藤社長は現在の企業へと変貌させることが出来たのでしょうか。新製品開発のチャレンジを続け、様々な方とのご縁、そして運もあったとおっしゃっていました。でも私は、伊藤社長が社長になって最初に「企業理念」を作ったからではないかと感じました。先代の社長の時まではなかったそうですが、伊藤社長は大きく変化せざるを得ない時だからこそ、これからの道標となる「企業理念」を掲げたそうです。変化に着いてこれず辞められた方もいらっしゃたようですが、殆どの方は、新社長が掲げた当該企業の道標、そして新社長に共感し、みんなで努力した結果だと私は理解しました。“会社の理念”が勤務先推奨度との相関がもっとも高い(kinnyuu_literacy_12.pdf (mufg.jp)P16)という調査結果もあります。企業には、多くのステークホルダーが存在しますが、中小企業においては、社員と一体になることが一番大切なことではないかと、考えさせていただいた一日でした。